原研哉『日本のデザイン』
日本のデザイン : 美意識がつくる未来 (岩波新書) 岩波書店、2011年10月
★感想メモ
- 未来のデザインとは、その人の生き方に真正面から向き合い、その命のエネルギーの求める心地よさを実現し、求めへの気づきをもたらすもの。それは複雑なものではなく、無駄を捨てることで生まれる空っぽに由来する簡素なもの。そのようにして生まれるデザインが、その人が生きるうえで大切にしていることに通じているものであれば、その美意識は他者にとっての魅力となりうる。ということかなぁ、と思った。
- エネルギーとのコミュニケーション、目には見えないその営みを、結果として目に見えるものにするのがデザイン、なんていう流れを想像した。
★勝手なメモ
- 日本の美意識:繊細、丁寧、精緻、簡潔
- 小ささ、スマート
- オリジナリティ、ユニーク
- 生活の思想:ものを介して暮らしや環境の本質を考える
- 人間の欲望への影響力
- 仮想と構想とその可視化
- 日本の簡潔さはシンプルとは根本的に異なる「空っぽ」に由来する
- 四角と丸、切り取って、嵌める
- 究極のプレーン、零度の極まり
- 暮らしのかたち=生活のへそ=無駄なものを捨てること
- 美意識が観光資源になる
- 小さな美には敏感だが、巨大な醜さに鈍い
- 新しい価値、ときめきを見つける
- 世界から評価されるのではなく、世界で機能する
- 無数の知の成果を受け入れる巨大なパラボラアンテナのような仕組み
- 歴史と文化が価値を生み出すソフト資源