「特集:インドのいま」
特集「インドのいま」『情報の科学と技術』Vol. 62(2012), No.1
★資料収集に関するメモ
★西願博之「インドの情報源とその利用」
- 国立国会図書館関西館 アジア情報課の取り組み
- 外部研究者に依頼してNDLのコレクションの分析と、新たに収集すべき資料のリストアップを行い、これを基に職員が選書。
- 雑誌収集の強化=日本南アジア学会で研究者からの情報提供を求め、ニュース誌や女性誌の購読を決定。
- インドの出版事情についての理解を深めるため、インドの現地語やインド文学の研究者を招いて説明を受けてきた。
- インドの出版事情についての理解を深めるため、筆者がインドへ赴き、政府系出版者や出版関係団体にインタビュー調査を行った。
- 平成21年度アジア情報研修 インド関連情報の調べ方 講義編
- 平成21年度アジア情報研修 インド関連情報の調べ方 実習編(解説)
- 西願博之「インドの出版事情と図書館:出張報告」『アジア情報室通報』2010, vol.8 no.2 pp.2-9
- 西願博之「インド国家ポータル:政府情報へのアクセスをめぐって」『アジア情報室通報』2010, vol.8 no.3 pp.2-6
★坂井華奈子「インド 現地資料の収集」
- 資料のウェブ公開がさかんになったため、冊子体で出版される部数が減少→以前よりさらに入手が困難になっている。
- 灰色文献
- 商業ルートにのらない価格のない出版物には社会科学的に重要な資料が多い。
- 資料収集のためには、市販されない資料の価値への理解が深く、流通経路などを熟知して精力的に収集する書店、書店店主の存在が重要。
- 一般の流通にのらない灰色文献の中でも、特に地方で刊行されたものは入手困難。
- インドの統計はある程度ウェブサイトで入手することができるが、アクセスの保証と保存の観点から、冊子体の入手が重要。ウェブサイトの更新状況も必ずしも最新の情報が掲載されているとは限らない。在庫として保存するのは古くても2〜3年程度とのことで、欠号が生じたらすぐに欠号請求を行うことが重要。
- ●Central Secretariat Library
- 文化省所管のインド・諸外国の公文書を所蔵する最大の図書館の1つ。選書委員会は約40名の有識者から構成されており、予算の範囲内で選書を行う。出版社から送られてきた本の中から選ぶ見計らい購入的な選書も行われている。
- ●National Social Science Documentation Centre, Indian Council of Social Science Resaerch
- インド社会科学研究評議会。学位論文のコレクションが特徴的な蔵書。インドで書かれたもの、インドに関するもの、インド人の書いたものについて収集している。