シェーリングの解釈法(06/02/04)

これまでに見たシェーリングの解釈法をまとめるとこんな感じ。

  • その音楽についての自分の解釈を説明するために、戯曲や文学作品から話の筋や会話を引用し、そこに楽曲を当てはめようとする。
  • 物語と音楽を、気分や雰囲気と結びつけようとする(例:踊り、やさしさ、嘆き、衝動、英雄的、など)。
  • 物語と音楽との一致を説くことで、その音楽の解釈に方向付けを与えようとする。
  • ある旋律線を抜き出し、そこに戯曲や文学作品の言葉を当てはめ、歌にしようとする。→あまりに具体的すぎ、しかも旋律に歌詞がうまくはまっていないので、分析結果の提示方法としては効果的とは言えない。

結果、物語を音楽に無理矢理当てはめようとしている印象が強まってしまい、論としての説得力に欠けてしまっている。
シェーリングがシェイクスピアの戯曲を多く引用しているので、その原作を読んでみた。いずれも小田島雄志訳、白水社白水Uブックスシリーズ、シェイクスピア全集。訳が古さを感じさせるけれど、シェイクスピアを原典で読んだら、もしかするとこんな雰囲気なのかもしれない。いつか読むことになるのだろうか。