シェーリング日本語文献(05/10/22)
原典を日本語訳した音楽解釈学の文献となるとなかなかない。英語訳はあるが、図書館では、収められている雑誌のちょうどその号が抜けている!ので、探さねば。とりあえず見つけたものメモ。
- 「シェリング哲学における知的直観の理解」
- 金子治子、東京芸術大学修士論文、1971年
- 「アーノルド・シェーリングによるベートーヴェンの解釈の一側面」
- 畑道也、《美学84》1971年春号、p. 34〜45
- 「アーノルド・シェーリングのベートーヴェン解釈における「Grundsymbol」についてI」
- 畑道也、《美学論究5》1971年、p. 63〜87
- 「音楽の内容解釈的研究について:アーノルド・シェーリングのベートーヴェンの解釈を中心として」
- 中村孝義、関西学院大学修士論文、1972年
- 『音楽の思想:西洋音楽思想の流れ』
- 海老沢敏、音楽之友社、1973年
シェーリングドイツ語文献(06/01/16)
原典は検索すれば上がってくるし、探せば手に入るはず。なのでここには読んだものリストを。
- Arnold Schering, Beethoven in neuer Deutung. Leipzig: Kahnt, 1934. より
- Die Klaviersonate d-moll, op. 31 Nr. 2
- Die Klaviersonate f-moll, op. 57
- Die Klaviersonate Es-moll, op. 27 Nr. 1 (quasi una fantasia)
- Die Klaviersonate op. 27 Nr. 2, cis-moll (quasi una fantasia)
- Die Klaviersonate D-dur, op. 28
シェーリングの解釈法(06/02/04)
これまでに見たシェーリングの解釈法をまとめるとこんな感じ。
- その音楽についての自分の解釈を説明するために、戯曲や文学作品から話の筋や会話を引用し、そこに楽曲を当てはめようとする。
- 物語と音楽を、気分や雰囲気と結びつけようとする(例:踊り、やさしさ、嘆き、衝動、英雄的、など)。
- 物語と音楽との一致を説くことで、その音楽の解釈に方向付けを与えようとする。
- ある旋律線を抜き出し、そこに戯曲や文学作品の言葉を当てはめ、歌にしようとする。→あまりに具体的すぎ、しかも旋律に歌詞がうまくはまっていないので、分析結果の提示方法としては効果的とは言えない。
結果、物語を音楽に無理矢理当てはめようとしている印象が強まってしまい、論としての説得力に欠けてしまっている。
シェーリングがシェイクスピアの戯曲を多く引用しているので、その原作を読んでみた。いずれも小田島雄志訳、白水社の白水Uブックスシリーズ、シェイクスピア全集。訳が古さを感じさせるけれど、シェイクスピアを原典で読んだら、もしかするとこんな雰囲気なのかもしれない。いつか読むことになるのだろうか。