現象学と歴史性

  • フッサールの思索の成熟→「哲学的反省」と「歴史への内属性」が相互補完的契機となる
  • メルロ=ポンティ:哲学の徹底した歴史への内属性を主張。上空飛行的思考を拒否。
  • メルロ=ポンティの見るところ、マルクス主義はいかなる意味でも独断的決定論的な歴史哲学などではない。むしろそれは、歴史の合理性をいかなる必然性の観念からも切り離そうとする。(中略)「歴史の哲学的意味を明白ならしめる歴史の読み方」と「哲学を歴史として現れさせる現在への還帰」という二つの契機が、マルクス主義の螺旋運動を構成してきた。
  • 哲学がわれわれを連れ戻す「超越論的主観性」とは、実はわれわれを少しずつ歴史の全体に結びつけてゆく相互主観性のことにほかならない。
  • メルロ=ポンティにとっての現象学:歴史のまっただなかでその歴史の意味を生まれ出づる状態において捉えようとする努力。