日本の植民地主義と脱植民地化を考えるために

(1)李静和『つぶやきの政治思想:求められるまなざし・かなしみへの、そして秘められたものへの』
 青土社、1998年。
  ISBN:4791756843
→ポストコロニアリズムを「ことば」を発する原初のレベルで考え、まさに出来事として出現した書物。
(2)小森陽一ポストコロニアル
 岩波書店、2001年。
  ISBN:4000264354
→日本が他者を包摂して近代国家となるありさまを活写する。
(3)水野直樹、藤永壯、駒込武編『日本の植民地支配:肯定・賛美論を検証する』
 岩波書店、2001年。
  ISBN:4000092529
植民地主義の反省を始めるにあたって多くの視角を提供する本。
(4)鵜飼哲『応答する力:来るべき言葉たちへ』
 青土社、2003年。
  ISBN:4791760964
→〈他者〉の身体と言葉に出会い、自分の「日本語」で語ることの可能性の地平を広げる珠玉の表現の数々。
(5)高橋哲哉『証言のポリティクス』
 未來社、2004年。
  ISBN:462401166X
→「日本人」として今なにが問われているのか、問題のありかをこの著者ほど的確に示してくれる人はいない。
(6)高島俊男『漢字と日本人』
 文藝春秋、2001年。
  ISBN:4166601989
→「ひょっとして日本語を素材としたポストコロニアル批評の傑作ではなかろうか。」とは稲葉振一郎氏の言。「古典古代中国のみならず近代西洋に対する植民地根性」が日本の漢字熟語に刻印されていることが見えてくるらし。「この重荷を切除すれば日本語は幼児化する。へたをすれば死ぬ。」というポストコロニアル状況。