左巻健男『新しい高校化学の教科書』

新しい高校化学の教科書 (ブルーバックス) 講談社、2006年1月 ★ただの感想 ほぼ一年前、読むことに取りかかってかなり早いうちに挫折した。何度か取りかかったけれど、そのたびに挫折した。敗因ははじめから順番に読もうとしたことだった。今回はぱらぱらと…

小田敏弘『本当の算数力』

本当の算数力 : できる子供は知っている 日本実業出版社、2010年7月 ★一言感想メモ 本書に書かれていることは、論文を書く場合にも仕事などでプロジェクトを進める場合にも政策を立てる場合にも相通ずることだと思った。 そのうえ、算数っていうのはいい科目…

城繁幸『若者はなぜ3年で辞めるのか?』

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 光文社、2006年9月 ★ざっくり要約&抜き書きしつつ一言感想メモ 本書の主張を乱暴にくくってしまうと、若者が3年で辞める理由は年長者・経営者層、政治、メディア、社会が若者を犠牲にして自分たちの既…

藻谷浩介『デフレの正体』

デフレの正体 : 経済は「人口の波」で動く 角川書店、2010年6月 ★ざっくり要約しつつ一言感想メモ 経済理論の学説っぽい説明については「そうなの?」という感じもあったけれど、あちこちで「そうだそうだ!」「は〜まったくまったく」と思いながらするする…

長尾真『「わかる」とは何か』

「わかる」とは何か 岩波書店、2001年1月 ★ざっくり要約しつつ一言感想メモ 書かれていることはどれももっともなこと。10年前にすでにわかっていた原子力発電所の問題について、著者が何か意見できる場にいて何か動かせる立場にあったなら、今回の地震と津波…

本田由紀『教育の職業的意義』

教育の職業的意義 : 若者、学校、社会をつなぐ 筑摩書房、2009年12月 ★ざっくり要約しつつ一言感想メモ 著者は教育政策が方向性しか示さず具体的な中身と検討をしていないことを批判しているが、著者自身があとがきで書いているように本書の主張は抽象的なス…

小宮多美江『近現代日本の音楽史』

近現代日本の音楽史 : 受容史ではない : 一九〇〇〜一九六〇年代へ (現代日本の作曲家 ; 別冊 3) 音楽の世界社、2001年11月 概要メモ 1930年ごろから1960年ごろまでを中心に、日本の作曲家に焦点を当てて日本の音楽の動きを描き出している。 雑誌上での作曲…

アンドレ・ブルトン『魔術的芸術』

魔術的芸術 河出書房新社、2002年6月 感想 久しぶりに読み返して、こんなことが書いてあったかなぁ、と思った。ひとつひとつの作品へのコメントがずいぶん短いように思えたし、それぞれのつながりをあまり強烈には感じなかった。多くの作品が「普通」になっ…

『情報の科学と技術』

ISSN:0913-3801 情報科学技術協会 メモ。 把握する この段階では何ができたら調査完了なのか⇒的確か人に確認(調査場面で求められる考え方・スキルを学ぶ) 仕事の区切りをメモ⇒作業時間の予測をメモ⇒実際の作業時間をメモ 新しい体制しか知らない新しい血が…

山本七平『日本はなぜ敗れるのか』

日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21) 角川グループパブリッシング、2004年3月 メモ。 つまるところは、人の口に食物をとどけることが、社会機構の基本であって、これが逆転して機構のため食物が途絶すれば、その機構は一瞬で崩壊する——人間が…

西江雅之『わたしは猫になりたかった』

わたしは猫になりたかった―“裸足の文化人類学者”半生記 (新潮OH!文庫) 新潮社、2002年4月 自伝。文化人類学の講義を思い出しながら読んだ。講義のときにうっすら聞いた記憶のあるような話も混ざっていて面白かった。 以下メモ。いずれもページ数はメモし忘れ…

菅谷明子『メディア・リテラシー』

メディア・リテラシー―世界の現場から (岩波新書) 岩波書店、2000年8月 事実の再構成、というあらゆるメディアの行っている手法を「学ぶ」ことと「教育する」ことの大切さと難しさ、その方法と試みについて記録した書。 「事実」の認識は人の目の数だけある…

村上陽一郎『医療』

医療―高齢社会へ向かって (20世紀の日本) 読売新聞社、1996年6月 かんたんに要約 戦前の医療、占領軍による防疫態勢の整備、感染症への対処の歴史。 医療制度の改革の必要性:医療費(医薬品・薬価基準の制度的問題、医薬癒着の指摘、過剰な薬の使用を抑える…

野田宣雄編『検証 歴史を変えた事件:悲劇はなぜ起きたのか』

検証 歴史を変えた事件―悲劇はなぜ起きたのか 阪急コミュニケーションズ、2001年7月 ★一言感想メモ 示唆に富む論文を収めた論文集。このタイトルでは少しキャッチ―すぎて、買う前に中をちらっと見た人が買うのをやめてしまうような気がしてもったいないよう…

杉浦日向子『対談-杉浦日向子の江戸塾』

対談 杉浦日向子の江戸塾 PHP研究所、1997年8月 ★一言感想メモ あまりにも面白くて一気に読んでしまった。とても面白かった。江戸ってこんなに面白かったのか。。。 概要:ご飯から始まって、着るもの、火事の多さが生んだ「宵越しの金は持たない」→モノを残…

稲葉振一郎『ナウシカ解読』

ナウシカ解読―ユートピアの臨界 窓社、1996年2月 ★一言感想メモ この本は、マンガ『ナウシカ』を添え木とした政治哲学の書だと思う。 たしかに『ナウシカ』の「解読」として記述が進められていくけれど、そしてその礎あるいは起爆剤として『ナウシカ』が必要…

御厨貴『東京:首都は国家を超えるか』

東京―首都は国家を超えるか (20世紀の日本) 読売新聞社、1996年4月 ★一言感想メモ 途中、別の本に手を出したこと数度。中断に次ぐ中断ののちようやく読み終えた。決して読みにくい本ではないのだけれど。 どちらかというと、興味はあれども知識を得ておけば…

長尾真『情報を読む力、学問する心』

情報を読む力、学問する心 (シリーズ「自伝」my life my world) ミネルヴァ書房、2010年7月 ★一言感想メモ 私にとっては、とてもよい本、だった。色々な意味で、いま読むことができてよかったと思っている。 元京都大学総長、現国立国会図書館長である氏の、…

矢向正人『言語ゲームとしての音楽』

言語ゲームとしての音楽―ヴィトゲンシュタインから音楽美学へ 勁草書房、2001年9月 ★一言感想メモ 鬼界彰夫『ウィトゲンシュタインはこう考えた』を読んだばかりの今が読みどき、と思って読んだ。実際、読みどきではあったと思うけれど、言語ゲームについて…

鬼界彰夫『ウィトゲンシュタインはこう考えた』

ウィトゲンシュタインはこう考えた:哲学的思考の全軌跡1912-1951 (講談社現代新書) 講談社、2003年7月 ★感想メモ たいへん密度の高い重厚な内容。ウィトゲンシュタインの著作(テキスト)の書かれた時期と、彼の思考のつながりと重なりとを、これまでのテキ…

佐々木毅『現代政治学の名著』

現代政治学の名著 (中公新書) 中央公論社、1989年4月 ★一言感想メモ 15冊の政治学の書物について、その著者の背景と代表的著作一冊(と、場合によってはその関連本)の主な主張を要約した政治学への案内本。 本書は複数の著者によって書かれているが、全体を…

猪木武徳『学校と工場』

学校と工場―日本の人的資源 (20世紀の日本) 読売新聞社、1996年3月 ★感想メモ 内容はたっぷりあるのに、整理の仕方がうまいのか、ずいぶんするすると読めてしまった気がする。読み終えてすっきりしたし、読むのに時間があまりかからなかった。著者の書き方に…

石破茂『国防』

国防 新潮社、2005年1月 ★一言感想メモ 石原亨一『文化摩擦と日本人』とは、対極という言い方では正しくないけれど、だいぶ異なる立場に立っている。 本書は、武力に依って平和を達成する方法がある、という言い方はしていないし、戦争を推奨しているわけで…

石原亨一『文化摩擦と日本人』

文化摩擦と日本人 白帝社、2010年1月 ★一言感想メモ 武力に依らずに平和を達成する方法がある、それは個人と個人の異文化交流、異文化理解を進め深めることによって可能であり、そのためには異質性に目くじらを立てて他者(外国・異文化)を拒絶するのではな…

田原総一朗『総理を操った男たち』

総理を操った男たち―戦後財界戦国史 (講談社文庫) 講談社、1989年6月 ★一言感想メモ 広瀬隆『アメリカの経済支配者たち』の世界をミニチュアライズして汗臭くした感じ。アメリカの覆しようのない力ある富豪たちとは比べ物にならないほどでしかないネットワー…

草野厚『歴代首相の経済政策全データ』

歴代首相の経済政策全データ (角川oneテーマ21) 角川書店、2005年1月 ★一言感想メモ 戦後60年の経済政策を総ざらいした本書は、通史として歴代総理大臣の交代を追いつつ、その経済政策と重要な外交政策を織り交ぜて、政策の実現と失敗とその原因をも含めてコ…

広瀬隆『アメリカの経済支配者たち』

アメリカの経済支配者たち (集英社新書) 集英社、1999年12月 ★一言感想メモ 本書を乱暴に要約してしまうなら、アメリカの桁外れの富豪たちによって世界が牛耳られていて、それは血縁関係によって財産流出を防ぎ、かつ富≒権力を拡大し、持てる富をコントロー…

原田泰『日米関係の経済史』

日米関係の経済史 (ちくま新書) 筑摩書房、1995年3月 ★一言感想メモ 筆者は「はじめに」の中で、筆者にとっての「最大の謎」すなわち「戦前期においても日本とアメリカは決定的な利害対立をもっていなかったにもかかわらず、日本はなぜ対米戦争に走らなけれ…

信田智人『アメリカの外交政策―歴史・アクター・メカニズム』

アメリカの外交政策―歴史・アクター・メカニズム ミネルヴァ書房、2010年2月 ★一言感想メモ アメリカの外交史だけでなく、アメリカの外交政策を複数の視点から包括的に記述することを試みた「教科書」。 現実主義、理想主義という、アメリカ外交を理解する上…

立石勝規『東京国税局査察部』

東京国税局査察部 (岩波新書) 岩波書店、1999年2月 ★一言感想メモ 表に出ている事実に基づいて、表に出ていない事実を推測しつつなるべくドキュメンタリーとして描いているという印象。 国税局が省庁の中にありながら省庁と少し違う立ち位置の独自の立場を保…